日綱道路整備株式会社

支承防錆 Bearing rust prevention

支承防錆 【金属溶射による鋼製支承防錆防食工事】

支承補修に防錆防食溶射を用いることで、従来行われてきた塗装による防錆処理以上の耐久性を実現します。支承防錆は鋼製支承の腐食を防ぎ、橋梁長寿命化の一助となる技術です。

支承が設置される橋桁端部は狭あいな空間で風抜けが悪く、湿潤で鋼製部材が腐食しやすい部位であることが報告されています。特に、冬季に凍結防止剤が散布される地域では、塩分を含んだ水分が桁継ぎ目などから漏れ、橋台や橋脚に滞留するため支承部や桁端部鋼材の腐食が、他の部位に比べ進行しやすく、鋼材腐食による断面欠損、機能消失は部材取り替えや大がかりな補修補強を余儀なくされる重要な問題とされています。

支承部の腐食環境例

図解:雨水・土砂・ごみ・凍結防止剤(塩化ナトリウム等)

交通規制を伴う部材取り替えや橋そのものの架けかえに至らない早い時期に、桁端部の鋼製部材へ重防食処理を施すことが、橋梁全体の機能予防・保全となり維持管理していくうえでの要点となります。

「防錆防食溶射」は、従来の塗料による重防食処理以上の耐久性を実現し、橋梁長寿命化の一助となる防食方法です。

防錆防食溶射技術の特徴

1. 導電金属含有の「粗面形成材」を用いて粗面化処理することにより

  • ブラスト処理だけに頼る、粗面化処理が軽減され、研削材使用量を低減することができます。
  • 溶射付着に必要な素地の表面粗さを安定的に確保することができます。
  • 素地の粗さが定量的に確保できるため溶射被膜の付着均一性に優れています。
  • 均一な通電性が確保できるため、均等な犠牲防食効果を得ることができます。

2. 溶射金属に「亜鉛」と「アルミニウム」を用いて擬合金被膜化することにより

  • 亜鉛とアルミニウム金属単体が持つ防食性能の相乗効果が得られます。
  • 溶融亜鉛めっき同等以上の高耐久性防食処理が既設構造物へ施工できます。

3. 無機・有機複合樹脂系の「封孔処理剤」を用いて封孔処理することにより

  • 特殊樹脂が亜鉛・アルミニウム金属と結合しながら被膜内の空げきを充填することができます。
  • 溶射被膜の活性度を制御することにより付着性、環境遮断性が飛躍的に向上します。
  • 塗料相性が良く、景観調和や耐候性付与目的の上塗り塗装が適用できます。

4. 現場施工で数多くの施工実績を有する「金属溶射技術」により

  • 独自ライセンス制度の認定を受けた有資格者が工事管理・施工に従事します。
  • 施工機が小型・軽量なことから移動が多い現場でも優れた機動性を発揮します。

5. その他の「防錆・防食方法との組み合わせ」により

  • 滞留塩分量が過多な部位は防食施工前に水洗し周辺環境を改善します。
  • 潤滑性防せい剤を支承すべり面に注入することで、すべり機能が回復します。
  • ブラスト処理が出来ない施工困難部位には適切な代替防食法を準備しています。
  • 塩害を受ける厳しい環境においては、ふっ素樹脂塗装が適用できます。

5のその他の防錆・防食方法はオプション対応となります。

支承防錆標準作業工程

素地調整

  • 支承鋼材面の錆び、旧塗膜、汚れなどをブラスト処理(1種ケレン)により除去する。
  • ブラスト処理程度は、ISO8501-1 Sa2 1/2同等以上とする。
写真:素地調整
写真:素地調整
図解:素地調整

粗面化処理

  • 粗面化処理は素地調整後4時間以内に行う。
  • エアースプレーガンを使用し、粗面形成材を塗付する。
  • 標準使用量:エアースプレー110g/m2
写真:粗面化処理
写真:粗面化処理
図解:粗面化処理

金属溶射

  • 金属溶射は粗面化処理後16時間~3日以内に行う。
  • 専用溶射機により、亜鉛アルミニウム疑合金を溶射する。
  • 標準使用量: 亜鉛 630g/m2 アルミニウム 250g/m2(最低膜厚100μm)
写真:金属溶射
写真:金属溶射
図解:金属溶射

封孔処理

  • 封孔処理は金属溶射完了後24時間以内に行う。
  • 刷毛・ローラー、スプレー等の塗装器具により、封孔処理剤を溶射被膜に含浸させるよう塗付する。
  • 標準使用量:はけ・ローラー 360g/m2 スプレー 430g/m2
写真:封孔処理
写真:封孔処理
図解:封孔処理

支承部(桁端部)施工例

施工前
△施工前
施工後
▲施工後
施工前
△施工前
施工後
▲施工後
施工前
△施工前
施工後
▲施工後

資料等

支承防錆工事の詳細については、カタログ(PDF)をご覧下さい。

支承防錆カタログ
支承防錆 【金属溶射による鋼製支承防錆防食工事】 カタログ

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